はじめに

 ミドルマネジメントの皆様、マネジメントに関してブラッシュアップしてはいかがでしょうか?医療業界に従事してきた専門職の皆さんがマネジメントを勉強するには、現在、独学しかありません。マネジメントの教育課程を整えている病院も、ほとんどありません。これは、病院長、看護部長、事務部長といったトップマネジメントに限らずミドルマネジャーも同じことです。

 それでも現実に今、医療現場でマネジメントのできる管理職が求められています。これは、事務職など他の職種についても同様です。そんな中で管理職に指名され、マネジメント教育もなされないまま、管理ができずに燃え尽きてしまうケースは少なくありません。中には、経営大学院でMBAを取得することで医療機関のマネジメントも勉強できるという幻想を抱き、職場を離れて学ぶ者もいます。

 ですが、医療機関のマネジメントは、実際に、それほど高度なことを必要としているのでしょうか?確かに経営の理論も必要かもしれませんが、その前にやることがあるのではないでしょうか。まずは、看護体制を保つための平均在院日数の計算の仕方や勤務表の作り方、職員のストレスを発散する方法を学ぶことが、先なのではないでしょうか。

 看護体制を学ぶために、診療報酬の難しい本を読み解くのは大変です。そこで、病院の現場に実際ありそうな場面設定で、物語を通して、管理と病院経営に関する用語を簡単に学べる参考書を作りました。病院の各部門管理者の入門書として最適です。皆さんが物語を読み終えるころには、これまで疑問だったことがスッキリされていることを願いします。

2009年7月

木村憲洋