SCENE9 在宅医療のしくみを学ぶ 訪問看護におけるケアマネジャーの役割

 在宅医療の拡大は、病院にとっても無視できないものとなりつつある。居宅を病院の地域における病床と考えると、在宅医療をになう診療所の医師は、非常勤の病棟医師なのかもしれない。ここでは、在宅医療について検討したい。

 奈須は、訪問看護ステーション所長の原に、在宅医療のことについて相談している。奈須は、在宅医療のしくみについてわかりつつあるが、はっきりと理解しているわけではないため、。もっと勉強したいと思っているのである。

原:今日は、訪問看護への移動のお願いかい?

奈須:違いますよ(笑)。在宅医療についてもっと知りたいんです。最近の看護学生は、在宅医療の実習をしているけど、私の時代はなかったので、実感がないんです。今度、教育委員を通して、訪問看護の研修を病棟看護師の教育に入れてもいいですか。

原:いいよ。こっちは、人が来てくれるならる助かるからね。さて、何が知りたいの?

奈須:前回(「師長の病棟経営数字」23.訪問看護ステーションって?)は、訪問看護のことを教えてもらったので、在宅医療と介護との関係を教えてください。訪問看護の指示書とケアマネジャーの役割なんかがよく分からないんです。

原:そうだね。在宅医療の中心は、在宅医療を行っている医師だっていうのは知っているよね。

奈須:はい。在宅療養支援診療所が365日24時間、患者を見守っていることを知っています。そして、在宅医療のいしと連携しているのが、先輩達の訪問看護ステーションですね。

原:そうね。最近では、在宅医療専門の診療所も増えているのよ。こういった在宅医療専門の診療所は、外来診療を行わず在宅診療だけを行っていて、全国的に増えているのよ。

奈須:そうやって、診療所と訪問看護ステーションでシステムができているんですね。そうすると、ケアマネジャーの仕事って何をするんですか?

原:ケアマネジャーの仕事は、訪問看護でいえばサービスの調整役だね。訪問看護は、医療機関から依頼が来ることもあれば、ケアマネジャーから来ることもあるのよ。一つ言えるのは、介護保険での訪問看護は、医師の指示書とケアマネジャーが作ったケアプランに入っている必要があるのよ。

奈須:複雑なんですね。緊急時の訪問看護はどうなんですか?

原:緊急時は、主治医から連絡が来たり、患者さんから連絡が来たり、希に、ケアマネジャーから連絡が来たりするのよ。

奈須:複雑ですね。原先輩は、在宅医療のことは何でも知っているんですね。

原:そんなことないわよ。ただ、在宅医療で行えることは、どんどん増えているから本当に病院の地域の病床と考えることもできるのよ。例えば、在宅酸素だけでなく、人工呼吸器を使っている患者さんや在宅で透析を行う患者さんも増えているのよ。緩和ケアも結構やっているかな。統合失調症なんかを多く見ているステーションもあるからね。

奈須:本当に幅広く、治療をやっているんですね。

原:最近は、在宅医療で利用する医療機器がすごく増えているのよ。人工呼吸器もNIPPV(非侵襲的陽圧喚起療法)やCAPD(持続携帯式腹膜透析)、インフューザーポンプを使っている患者さんも増えているからね。携帯式のエコーや心電計を持ってきて検査している先生もいるくらいだよ。

奈須:ところで、患者さんは、自宅にいてすぐに行けないと思いますが、在宅医療の医師や訪問看護の看護師は、どうのように管理しているんですか?私だったら怖いです。

原:何事も予測することよ。病棟でナースコールが鳴らないように、患者さんの先を考えるってことがあるでしょ。それと同じだよ。例えば、「今日の夜間は呼ばれる可能性が高い」「今日の夜間は安心」と予測がつくのよね。そういった管理のもとに、訪問診療や訪問看護は行われているの。だから、今夜呼ばれる可能性が高い時は、主治医に連絡しておいたり、あらかじめ緊急の訪問看護を入れるといったこともしているのよね。ともてやりがいがあるのよ。

奈須:すごく面白そうですね。病棟看護師に研修させたいので、ぜひお願いします。

 在宅医療の進化は、目覚ましいものがあります。その一方で、在宅の療養管理も進化し続けています。在宅医療や訪問看護の学びから、病棟看護へ行かせる技術もたくさんあります。