病院の経営会議で一般病棟入院基本料7対1を算定する目標が、掲げられたそうである。これで、日本総合病院も7対1看護になるのかと思うと、一流の看護が提供できる気分である。しかし、一般病棟入院基本料7対1を算定するには、看護師を増員しなければならないという大きなハードルがある。これをどのようにして看護部はクリアして行けばいいのだろうか?
斎藤:先日の経営会議で、7対1看護を目指すことになりました。そこで、7対1看護を算定するにあたり、越えなければならないハードルがいくつかあります。このことについて、議論したいと思います。
根田:ハードルとは、看護師確保の問題と重症度と看護必要度の問題です。
斎藤:そうです。重症度と看護必要度がある一定以上でなければいけません。根田師長、説明してください。
根田:それでは、簡単に説明します。配布した資料を見てください。7対1看護を算定できる条件を測定する評価表(表5)(2020.4)として、表5を利用します。重症度と看護必要度は、「Aモニタリング及び処置等」と「B患者の状況等」、「C手術等の医学的状況」に分かれます。①A項目3点、②A項目2点かつB項目3点、③C項目1点をクリアしなければなりません。
斎藤:そうです。7対1看護を算定するには、重症度と看護必要度をクリアしなければなりません。皆さんは何か気がついたことはありますか?
鈴本:重症度と看護必要度をクリアするということは、記録が増えるのでしょうか?
斎藤:そうです。患者の状態を評価するということは、記録を残さなければなりません。(表6)は、重症度・看護必要度の評価表の記入に関しての手引きです。重要な部分を太字にしてありますが、簡単に説明します。①評価表の記入は院内研修を受けたものが行う。②判断基準に従って評価を行う。③評価は毎日行う。④推測や憶測で評価をしない。⑤評価は一定の時刻に行うことが原則となっています。これらが評価に関するポイントとなります。詳細は、表6を読み、頭に入れておいてください。
奈須:毎日評価するということは、記録が増えると言うことになりますね。評価の手間もそうですが、記録類が増えることは、現場の看護師にとっても負担になるので、効率よくできる方法を考えます。
斎藤:新しい仕事をいかに、スムーズに現場に定着させるかは、師長である皆さんの腕の見せどころです。病棟によって、違いがありますから各師長が最適な方法を考えないといけません。これが病棟のリーダーである師長の仕事です。次回の師長会には、各病棟がどのようなタイミングでどのように評価するのかを発表してください。
師長の仕事は、トップからの方針を噛み砕き、現場が良い仕事をするためにサポートしてくことが重要であると感じた奈須であった。